ステップ3-1 天井の材料と質量の確認
〈確認内容〉
ステップ2で収集した資料に基づき、天井の材料を確認する(表3-1(1))。
天井面の使用材料を参考にして、天井の質量を次のとおり区分する(表3-1(2))。
天井面が石膏ボードを含まない場合(2kg/㎡超 6kg/㎡以下)
天井面が石膏ボードを1枚含む場合(6kg/㎡ 超20kg/㎡以下)
天井面が石膏ボードを2枚以上含む場合(20kg/㎡超)
〈解説〉
・確認資料には、主に「特記仕様書」「矩計図」「天井伏図」「天井下地伏図」を用いる。
・天井面は野縁(鋼製)と石膏ボードを下地に用いて、ロックウール吸音板を仕上材として張っていることが多い(石膏ボード捨張り)。石膏ボードを下地に用いず、ロックウール吸音板やグラスウール板を野縁等に取り付けることも多い(直張り、システム天井)。
・現在、大空間の天井では面材を鋼製野縁に取り付けることが一般的であるが、木製野縁が使われることも稀にある。システム天井ではT バーやH バーと呼ばれる部材に面材が取り付けられる。こうした部材は鋼製が多いがアルミ製もある。
・天井面構成部材等の質量が20kg/m2 超の天井仕様は音楽ホールなどに用いられ、計算による耐震性の検証が求められる。こうした天井仕様にもかかわらず耐震計算書がない場合には、実地診断を行っても耐震性を確認できない。
〈補足〉
・技術基準の仕様ルートは、天井面構成部材等の単位面積質量が2kg/㎡超~20kg/㎡以下のものを対象とし、仕様の内容によっては2kg/㎡超~6 kg/㎡以下、6kg/㎡超~20kg/㎡以下の区分がある。
・上記の質量には、天井面構成部材の質量に、当該部材に地震その他の振動・衝撃により生ずる力を負担させる照明設備や空調設備等(当該天井以外の部分で自重を支えるものを除く。)の質量を加えることとなるが、表3-1(2)では、石膏ボードの枚数により、質量区分を簡略的に確認する。