サイトロゴ

屋内運動場等の天井等総点検用マニュアル
【第1節 天井の耐震点検と対策の実施 ステップ3-2】

ステップ3-2 天井の断面形状の確認

〈確認内容〉
ステップ2で収集した資料に基づき、小屋裏(屋根と天井の間にある空間)の高さが概ね均一であることを、
①天井面が屋根面とほぼ同じ形状であること(表3-2(1))、
②天井面の段差(立上り)や折れ曲がりがないこと(表3-2(2))によって確認する。
小屋裏の高さが均一でない場合は吊り長さを揃える小屋裏措置が行われているかどうかを確認する(表3-2(1)(2))

〈解説〉
・本ステップでは吊り長さが概ね均一であることを、小屋裏の高さから簡略的に確認する。
なお吊り長さそのものの値の確認はステップ3-3で行う。
・体育館などの屋根は切妻のような勾配屋根か円弧状屋根が一般的である(表3.2.1 参照)。
こうした屋根に対してほぼ同じ形状の天井面を設けた場合、吊りボルトが配置される小屋裏の高さは概ね均一となる。
・天井の段差や折れ曲がりは、天井頂部や壁際に設けられることが多く、ほとんどが吊り長さが均一ではない。
・吊り長さを揃える小屋裏措置として、屋根を支える部材以外の鉄骨を天井面と平行に設置し小屋組と一体化すること等が想定される。しかし現状ではこうした措置を施した屋内運動場等はほとんどないと考えられる。

〈補足〉
・技術基準の仕様ルートは、天井の吊り長さが概ね均一であることを求めている。ただし、段差や折れ曲がり部分に適切なクリアランスを設ければ、吊り長さが異なる天井部分を同一室内に配置できる(ステップ3-7参照)。
・天井面は屋根面よりも緩勾配のことも少なくない。こうした天井の多くは異なる長さの吊りボルトが混在するため、地震時に捻れ振動が生じることがある。
・視覚的効果や音響効果などのため、天井面の途中に段差や折れ曲がりを設けることがある。
こうした部分では地震時に複雑な動きが生じることがある。

・天井に段差や折れ曲がりが設けられた場合、壁際のクリアランスだけでなく、「吊り長さを揃える小屋裏措置」や「吊り長さの異なる天井部分の縁を切るためのクリアランス(壁際以外のクリアランス)」も必要になるため、そうした措置がなされているかどうかを確認する。