ステップ3-3 天井の各部仕様の確認(1)吊りボルトの方向と吊り長さ
〈確認内容〉
ステップ2で収集した資料に基づき、吊りボルトの方向と吊り長さを確認する(表3-3)。
〈解説〉
・吊りボルトを曲げたり斜め方向に取り付けたりすると、天井の重さを適切に支持できないおそれがあるため、鉛直方向下向きに取り付ける。
・吊り長さが3m を超える天井仕様は音楽ホールなどに用いられ、計算による耐震性の検証が求められる。
こうした天井仕様にもかかわらず耐震計算書がない場合には、実地診断を行っても耐震性を確認できない。
・長さの異なる吊りボルトが混在すると、天井が特別な揺れ方(捻れ振動)をするおそれがある。
〈補足〉
・吊り元の仕様について、荷重又は外力により、容易に滑りや外れ、損傷を生じないものとなっているか確認する(「ステップ3-8」参照)。
・吊り長さが短いと天井懐に入っての作業が困難になり、天井面を全面的に撤去しないと斜め部材を適切に増設できないことがある(「対策の検討」参照)。
・水平補剛材については、技術基準に示されていないが設けていてもよい。