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石綿(アスベスト)について【2】

アスベストの物性(特徴)

アスベストがもつ物性により、耐久性を要する建材、製品に幅広く使用されています。
使用されている理由は以下の通りです。

紡織繊維性

他の無機または有機繊維に比べ著しく細い。
通常、アスベスト繊維は集合体をなしており、工学的に解綿できる最も細い繊維束の大きさは約 1~2μm(マイクロメートル)です。

高抗張性(引張り強度)

ピアノ線より抗張力が大きく、しなやかさもあります。
特にクリソタイルのしなやかさが最も優れているとされています。

不燃・耐熱性

耐熱性が高い。
クリソタイルは約 500℃まで安定であり、角閃石系のものはクリソタイルより高温でも安定している。

耐薬品性

耐酸性及び耐アルカリ性に優れています。
種類により異なり、アンソフィライトが最も優れ、クリソタイルが劣っています。
他はこれらの中間に位置するとされています。

耐摩耗性

「摩耗」とは、研磨や摩擦といった機械的作用で、材料が表面から消耗していくことを表します。
摩耗することに耐え、性能を維持する性質があります。

耐腐食性

耐食性ともいいます。
腐食しにくい性質、環境下で腐食作用に耐える性質があります。
材料は表面より化学的に侵されますが、それらを防御できる性質を持っています。

絶縁性

電気を通しにくい性質を持っています。

親和性

物質同士が親しみ結びつきやすい性質を持っています。

経済性(安価)

安価な工業材料のため、「奇跡の鉱物」や「魔法の鉱物」と呼ばれていました。

優れた素材ではあるが

アスベストは通常の環境条件下では半永久的に分解・変質しません。
地表に沈降した場合、容易に再発じんすることから、極めて長期間一般環境中に留まるとされています。
それにより吸入し、体内に入り込んでしまいます。
アスベストによって生じる疾患がありますので、次の記事でお伝えします。