アスベストの物性(特徴)
アスベストがもつ物性により、耐久性を要する建材、製品に幅広く使用されています。
使用されている理由は以下の通りです。
紡織繊維性
他の無機または有機繊維に比べ著しく細い。
通常、アスベスト繊維は集合体をなしており、工学的に解綿できる最も細い繊維束の大きさは約 1~2μm(マイクロメートル)です。
高抗張性(引張り強度)
ピアノ線より抗張力が大きく、しなやかさもあります。
特にクリソタイルのしなやかさが最も優れているとされています。
不燃・耐熱性
耐熱性が高い。
クリソタイルは約 500℃まで安定であり、角閃石系のものはクリソタイルより高温でも安定している。
耐薬品性
耐酸性及び耐アルカリ性に優れています。
種類により異なり、アンソフィライトが最も優れ、クリソタイルが劣っています。
他はこれらの中間に位置するとされています。
耐摩耗性
「摩耗」とは、研磨や摩擦といった機械的作用で、材料が表面から消耗していくことを表します。
摩耗することに耐え、性能を維持する性質があります。
耐腐食性
耐食性ともいいます。
腐食しにくい性質、環境下で腐食作用に耐える性質があります。
材料は表面より化学的に侵されますが、それらを防御できる性質を持っています。
絶縁性
電気を通しにくい性質を持っています。
親和性
物質同士が親しみ結びつきやすい性質を持っています。
経済性(安価)
安価な工業材料のため、「奇跡の鉱物」や「魔法の鉱物」と呼ばれていました。
優れた素材ではあるが
アスベストは通常の環境条件下では半永久的に分解・変質しません。
地表に沈降した場合、容易に再発じんすることから、極めて長期間一般環境中に留まるとされています。
それにより吸入し、体内に入り込んでしまいます。
アスベストによって生じる疾患がありますので、次の記事でお伝えします。