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石綿(アスベスト)について【3】

主な石綿関連疾患

アスベスト(石綿)の吸入により発症する疾患のことを石綿(アスベスト)関連疾患と言います。
関連する疾患の多くは、長期の経過で緩除に進行することが多いようです。

肺がん(原発性肺がん)

最大の要因は喫煙ですが、石綿と喫煙の両方のばく露を受けると、肺がんの発症率を高めることが知られています。
石綿肺や慢性呼吸不全を合併している場合が多いことが挙げられます。

石綿肺

吸入したアスベストが、肺の内部で沈着し、長期の経過を経て肺がもろくなり柔軟性を失って繊維化する「じん肺」という病気の一つです。
呼吸状態の悪化、肺がんの合併もしばしば見られます。

腹膜中皮腫

アスベストの吸入により、肺の表面を覆う胸膜が20~30年以上の経過を経て腫瘍化し、胸水の貯留や転移を伴う悪性腫瘍です。
呼吸困難、胸部圧迫感や、胸膜や骨、神経の痛み、しびれなどがきっかけとなり発見されますが、症状がなく胸部エックス線検査で胸水貯留を偶然発見されることもあります。

腹膜中皮腫

アスベストの吸入により、おなかの内側を包む腹膜の表面をおおう中皮細胞から発生する腫瘍です。
腹痛、腹部膨満感、腹水貯留などがみられます。

びまん性胸膜肥厚

臓側胸膜(肺を覆う膜)が炎症を起こし、壁側胸膜(胸壁を覆う膜)にも病変が及んで両者が癒着していることがほとんどです。
呼吸機能が低下し、呼吸困難などの症状が現れます。
石綿肺と合併することがあります。

発症について

石綿関連疾患は石綿ばく露開始から発症までの潜伏期間が長いことが特徴です。
長期に持続的に吸入した場合に発症する確率が高くなると言われていますが、発症には個人差があり、喫煙も関連しているとされるため、同じ条件ですべての人が発症するわけではありません。
また、石綿関連疾患が全てアスベストのみで発症するのではなく、他の要因や原因不明で突然発症することもあります。

発症してしまったら

「石綿健康被害救済制度」があります。
中皮腫、石綿による肺がん、石綿肺及びびまん性胸膜肥厚(著しい呼吸機能障害を伴うもの)が対象となる疾病です。
次のお役立ち情報では、アスベストの使用と規制の歴史について、お伝えしたいと思います。